4月14日(水)朝、突如辞任を発表した東芝の社長辞任と、新社長就任についてお届けします。
1月に東証一部上場を復帰し、株価も安定している中に降って湧いた買収提案から社長解任動議提出など気になる情報が錯綜しましたが、一転して辞任に至ったようです。
今回は、社長交代の理由、新社長の経歴、株価の影響があったのかをお伝えします!
突然の辞任の理由は?
車谷暢昭氏は、それまで辞任の意向は示していませんでした。
突然辞任に至った理由はどういったものがあるのでしょうか?
【物言う株主】の存在と買収提案における【利益相反】の疑惑
3月18日に開かれた臨時株主総会において、シンガポールの投資会社「エフィッシモキャピタルパートナーズ」などの株主提案が可決されました。
この提案は、20年7月に開かれた定時株主総会における運営の不備について独立した調査を求めるものでした。
実は、きっかけとなった20年度の定時株主総会では、車谷氏の再任に賛成する株主は57%にとどまっていました。
そのため21年に開催される株主総会では、再任されるか注目を集めていたということなのです。
その中、4月6日に報道されたイギリスの投資会社CVCキャピタルパートナーズによる「買収提案」でした。
提案に合意すれば、株式は「非上場」となり【物言う株主】の対応に苦慮していた車谷氏にとってはちょっとありがたい出来事となります。
しかし、車谷氏は東芝の経営トップに就任する直前までCVCキャピタルパートナーズの日本法人の会長を勤めていたこともあり「利益相反」にあたるのではないかとの指摘がありました。
利益相反とは、取引関係にある当事者のうちどちらか一方が不利益を伴う取引のことを言います。
この場合、車谷氏にとっての買収提案は「利益」となるが、東芝全体にしてみれば「株式が非公開化による不利益」の方が大きくなるとの見方があり【利益相反】として疑いをもってみられることとなります。
取締役からの【解任動議】も
辞任発表の前日夜、取締役による解任動議が提出されるとのニュースが報道されました。
これまで、取締役の中には経営方針や大株主のファンドとの関係について問題視する人物もおり、次回の株主総会で車谷氏を取締役候補としない方針が検討されていたようです。
そのように社内の「味方」が少なくなってきたこともあり「解任されるより自ら辞任」を選択したということです。
新社長の経歴は?どんな人?
車谷氏と交代し、社長兼CEOに就いたのは会長を務めていた綱川智(つなかわ さとし)氏です。
綱川氏の略歴
引用:https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041400170&g=eco
生年月日:1955年(昭和30年)9月21日、東京都出身
出身大学:東京大学教養学部
1979年4月、東芝入社
2016年6月、代表執行役社長に就任
2018年4月、代表執行役社長兼CEO
2020年4月、取締役会長
2021年4月、代表執行役社長兼CEOへ就任、現在に至る
一度社長を経験されており、会長へ退いたものの65歳で社長に再登板ということになります。
株価への影響は?
辞任発表後の14日、一度は大きく株価をあげました。
社長交代後、CVCによる買収提案否定発表後16日にはまた値を下げています。
しばらく、株価が不安定な動きをする可能性がありますね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。